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   ヒュ−ズ選定のための技術的なポイントは、装置の寿命期間中に誤溶断がなく、異常発生時には速やかに溶断して回路を保護するようにヒュ−ズを選定することです。電子機器や装置の設計者の皆様に正しい選定方法をお知らせします。

 ここでは、基本的な要件...

      1.定常ディレーティング
      2.温度ディレ−ティング
      3.パルス電流に対するディレーティング
      4.ラッシュ電流に対する考慮
      5.定格電圧と遮断容量
      6.溶断特性の確認
      7.故障率

 について説明します。
 
     
  1.定常ディレーティング 

 ヒュ−ズは一般に回路の定常電流が定格電流の70%以下に収まるように使用することで長期間の寿命が得られます。
 当社ヒューズは、定常ディレートとして定格電流の70%以下での使用を推奨しています。
 但し、小型のチップ形マイクロヒューズに関しては、近隣に配置された発熱部品などの熱的影響を受けやすいため、定常ディレートとして定格電流の50%以下での使用を推奨しています。
 
     
  2. 温度ディレ−ティング 

 周囲温度が高い環境で使用する場合は、定常ディレーティングに加えて温度によるディレ−ティングが必要となります。これは、周囲温度の影響で、ヒューズの溶断時間が早くなる、つまりは定格電流が低下するためです。当社ヒューズの温度補償特性を下図に示します。

 例えば、当社のSBLヒューズを電源ユニット内の60℃の環境で使用する場合は、温度ディレーティング係数は0.92となります。
 
 
 

記号
ヒューズ分類
(a)
 P(0.3A〜1.3A), P4H(0.4A〜1.3A)
 MP(0.32A〜1.6A), HP(0.32A〜0.5A)
(b)

 GP, P(2A〜5A), PL(7.5A〜15A), P4H(2A〜10A)
 UP, UPK, MP(2A〜7.5A), HP(1A〜6.3A), EP
 DM, LM, HM, VM, SVM, SBM, CM, KMC, KMD
 BD, DCP, BE, BL, SBL

(c)
 SP(all)
(d)
 SMP(all)
 
     
  3.パルス電流に対するディレーティング 

 ヒューズの負荷電流は実効値で扱いますが、比較的パルス間隔の長い回路にヒュ−ズを使用する場合、実効電流が小さくともパルスのピ−ク値が大きいとヒュ−ズはダメ−ジを受ける場合があります。

 下図は、当社のP・PL形警報用ヒュ−ズのパルス電流に対するディレ−ティングの一例です。周期が0.1秒以上では、実効値が小さい場合であっても大きく急峻なパルス電流に対して、大きなディレーティングが必要になることを表しています。周期1秒、パルス幅0.01秒(デュ−ティファクタが0.01)の場合のディレート係数は0.6となります。

 
 
   
     
   1〜3項の内容を考慮し、下式にて長期間使用できる定常電流値が求められます。
 定常電流値(実効値)<[ヒューズの定格電流値]×[0.7:定常ディレーティング]×[温度ディレーティング係数]×[パルス電流ディレーティング係数]
 
     
  4.ラッシュ電流に対する考慮 

 DC−DCコンバ−タの電源回路やコンデンサが後段にある回路では多くの場合、ラッシュ電流がヒュ−ズに流れます。ラッシュ電流により発生するジュ−ル熱が繰り返し通過すると、ヒュ−ズエレメントは酸化劣化や膨張収縮による金属疲労を起こし、やがて断線に至る場合があります。

 耐久性をみるには、ラッシュ電流を熱エネルギ−(ジュ−ル積分I2t)に置き換え、ヒュ−ズエレメントが溶断するジュ−ル積分I2tと比較します。なお、おおよそ10ms以下の短時間溶断領域では放熱量がゼロとなり、ヒュ−ズ溶断のジュ−ル積分I2tは、ヒュ−ズ線の材質、断面積によって決まる一定の値となります。

 下図は弊社マイクロヒュ−ズのラッシュ電流に対する耐久性の一例を示すもので、縦軸はラッシュ電流とヒュ−ズ溶断のジュ−ル積分I2tの比(熱エネルギ−の大きさ)で、横軸は電流の繰り返し通過に対するヒュ−ズの耐久回数を表しています。
 
 



記号
ヒューズの分類
(1)
 P4H(7.5A以上), PL(10A以上), SP, SMP
(2)
 UP, UPK
(3)
 P(1.3A未満), P4H(1.3A未満), GP, MP, HP, EP
(4)
 P(1.3A以上), P4H(1.3A〜5A), PL(7.5A)
 



記号
ヒューズの分類
(1)
 DM, HM, LM, VM, CM, BD, DCP
 BL(1A〜6.3A), BE(1A〜1.6A)
(2)
 SVM, SBM
(3)
 SBL
(4)
 KMC, KMD
(5)
 BL(8A以上), BE(2A以上)
     
  5.定格電圧と遮断容量

 ヒュ−ズは溶断した瞬間に、溶けたエレメントによってア−クが生じます。回路電圧が高く電流が大きい程ア−クエネルギ−は大きくなり、遮断することが難しくなります。ヒュ−ズが確実に回路を遮断できる回路電圧と電流の限界は定格電圧と遮断容量として規定されます。

 ヒュ−ズは回路電圧以上の定格電圧で、想定される短絡電流を越える遮断容量のものを選定する必要があります。
 
     
  6.溶断特性の確認 

 回路異常時にヒュ−ズが故障回路を確実に切り離して障害を最小限に抑えるには、保護対象の破損特性をつかみ、ヒュ−ズの溶断特性と比較する必要があります。
 尚、定格電圧以下であっても回路電圧が100V以上の場合は、発生するア−クエネルギ−が大きく、数ミリ秒以上続く場合があります。回路保護を厳密に行う場合、ヒュ−ズの遮断性能を確認する必要があります。
 
     
  7.故障率 

 長期間の寿命を保証するため、ヒュ−ズの故障率は一般にFIT(フィット)数で示されます。1FITとは総稼働時間10億[個×時間]で故障が1個であることを表しています。当社における長期間の連続通電実験で、マイクロヒュ−ズを含む当社ヒュ−ズは数FITという結果となり、信頼性の高いヒューズを提供しています。
 
     
 
以上
 
 

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